大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和31(オ)19 判決

主 文

原判決を破棄し、本件を仙台高等裁判所に差し戻す。

理 由

本件農地売渡計画は、自作農創設特別措置法(以下自創法という)による行政庁

の処分であるが、本件売渡計画の取消処分は、自創法の規定に基づきその定めてい

るところによつたものではなく、行政行為取消の一般法理に基づくものとしてなさ

れたのであるから、自創法による行政庁の処分ではなく、単なる行政庁の処分とい

うべきものである。それ故、本件売渡計画の取消処分を違法なりとしてその取消を

求める本件訴の出訴期間は、自創法四七条の二により当該処分のあつたことを知つ

た日から一箇月以内とすべきものではなくして、一般法たる行政事件訴訟特例法五

条一項により当該処分のあつたことを知つた日から六箇月以内とすべきものである。

本件において上告人が右取消処分のあつたことを知つたのは、昭和二四年五月三

一日であり、本訴の提起は六箇月以内である同年八月二九日であるから適法である。

されば、原判決が、本件出訴期間につき自創法四七条の二を適用すべきものとし、

本訴の提起を不違法であると判示したのは、判決に影響を及ぼすこと明らかな違法

であるから、上告理由第二点の論旨は理由があり、その余の論旨を判断するまでも

なく、原判決を破棄するを相当とする。

よつて、民訴四〇七条一項に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!